水上悟志『最果てのソルテ』(マッグガーデン)1巻より ここではないどこか……この現実世界とは「違う」世界を舞台に、魅力的な主人公と愉快な仲間たちが冒険の旅に出る。そんなハイファンタジーは、少年漫画の王道と言ってもいいジャンル。多くの漫画家が描…
岩明均・室井大資『レイリ』(秋田書店)1巻より 凡そ「漫画好き」を自称する人であれば、岩明均先生を知らない人はまず居ないでしょう。ダークファンタジー漫画のマスターピースとなり、現在でも多くの作品に影響を与え続けている記念碑的名作『寄生獣』や…
安田剛助『私と彼女のお泊まり映画』(新潮社)1巻より 先日、たまたまラジオの語学番組を聴いていて知ったのですが、英語では「親友」を表すのに「best friend」だけでなく「soulmate」という言い方もあるのだとか。直訳すると「心の友」でジャイアンっぽく…
橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より 本日ご紹介する作品は、色んな意味で「狂気」という言葉が似合う漫画だと思います。 まるで少女漫画のようなかわいい絵柄……でも下ネタなどのえげつないギャグを全力でかましてきますし、 「同じク…
小林キナ『ななしのアステリズム』(スクウェア・エニックス)1巻より 突然ですが、筆者は最近、2015年から2017年にかけて連載されていた作品『ななしのアステリズム』(スクウェア・エニックス、全5巻)を久しぶりに読み返してたんです。読み返した結果……「…
高橋聖一『好奇心は女子高生を殺す』(小学館)1巻より 「好奇心は猫をも殺す」というイギリスのことわざがあります。西洋では“A cat has nine lives.”(猫には命が九個ある)と言われるほど、「猫はしぶとい生き物」だと認識されているそうなのですが、そん…
ゆづか正成『騎士譚は城壁の中に花ひらく』(オーバーラップ)1巻より 「騎士が主人公の漫画」と聞くと、どのような作品を思い浮かべるでしょうか。試しに「騎士 漫画」などのキーワードで画像検索をしてみると、テレビゲーム的な架空の世界を舞台にした、い…
須賀達郎『ボールパークでつかまえて!』(講談社)第1話より 新年、明けましておめでとうございます。昨年は望外なほどたくさんの方に記事を読んでいただき、本当に嬉しかったです。今年もご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、新年1回目…
紅木春『片腕のエイミー』(集英社「少年ジャンプ+」掲載)より 集英社のアプリ「少年ジャンプ+」では、年間150本〜170本程度の読切漫画が掲載されています(参照:少年ジャンプ+で読み切りが次々バズる理由を編集長に聞いてみた | アル)。新人からベテ…
松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より 年末……それは漫画ファンにとって、「年間ランキング」を決めなければいけない季節。いや、決めなければいけないことはないんですが、何となく一年間の総決算をしておきたい気分になるんですよね。 しかし、おもしろい…
アサイ『木根さんの1人でキネマ』(白泉社)1巻より 皆さんには、「知人や同僚には秘密だけど、実は『これ無しでは生きられない!』というぐらいハマっている趣味」ってありますか? たとえば筆者の場合、家に何千冊も漫画があることとか、本屋さんに行くた…
いづみみなみ『綺麗なおねえさんと呑むお酒は好きですか?』(KADOKAWA)1巻より 本日ご紹介するのは、抜群に絵がかわいい漫画です(何しろ「あなたのために作ったかわいいコミック誌」こと『月刊コミックキューン』で連載されていた作品ですからね)。そし…
石坂ケンタ『ざつ旅-That's Journey-』(KADOKAWA)1巻より 「旅に出ます。探さないでください。」そんな書き置きを残して、2~3日失踪してみたい気分になること、きっと誰にでもありますよね。筆者は半月に一回ぐらいはそんな気分になります。 知らない土地…
施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』(一迅社)1巻より 突然ですが、あなたは読書家ですか? 筆者は正直、全然読書家とは言えない人です。コンスタントに良書を読んでおられる方々に畏敬の念を抱きつつ、漫画とTwitterで一日が終わってしまう……そんな日々です。…
鈴木小波『東京黄昏買い食い部』(KADOKAWA)より 「東京」とひとことで言っても、その中には色々な町があります。電車のひと駅ごとに異なる個性や特色を持った町があって、そんな様々な町が数えきれないほど集まった集合体が「東京」……なのではないかと思い…
田口囁一『ふたりエスケープ』(一迅社)1巻より この世界には無数の職業がありますが、どんな生き方を選んでも選ばなくても、きっと予想もしないような苦労がついてくるものでしょう。頼みもしないのにやってくる厳しい現実にどう対処するのが良いのか……「…
伊奈めぐみ『将棋の渡辺くん』(講談社)1巻より 将棋ファンであれば、渡辺 明名人を知らない人はいません。日本中から天才が集まるプロへの登竜門「奨励会」を中学生のうちに突破した数少ない棋士のひとりで、現在「名人」「棋王」「王将」の3つのタイトル…
戸塚たくす・阿久井真『ゼクレアトル 〜神マンガ戦記〜』(小学館)1巻より メタフィクション。それは、通常であれば作品世界内に登場するはずがない「作者」や「読者」のような存在が登場して作品に影響を与える、などといった虚構性をあえて強調するような…
松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より 集英社のアプリ「少年ジャンプ+」では様々な漫画が公開されていますが、その中でもとりわけ人気が高いのが『SPY×FAMILY』。単行本の売り上げが、5巻で累計600万部を突破するほどの大人気作品で、アニメ化等のメディア…
橋本悠『2.5次元の誘惑』(集英社)1巻より 俗に「友情・努力・勝利」が少年ジャンプの特徴だと言われたりしますが、最近の少年ジャンプの作品は、何だかどんどん先鋭化しており「友情・恐怖・無慈悲な死」みたいなダークファンタジー寄りの作品が増えている…
近藤笑真『あーとかうーしか言えない』(小学館)1巻より たとえば『ニュー・シネマ・パラダイス』などの“映画をテーマにした映画”、『SHIROBAKO』などの”アニメをテーマにしたアニメ”のように、漫画の世界にも”漫画をテーマにした漫画”が数多く存在し、その…
星窪朱子『放課後のサロメ』(双葉社)1巻より 「人間は社会的動物である」という名言を、実はアリストテレスは言ってないそうですが、しかしまあ実際のところ、我々はどうしようもなく社会的動物だと思います。少なくとも自分の半径数メートルの世界では、…
田口ケンジ『汚物は消毒です』(小学館)1巻より 俄かには信じられないのですが、なんと来週にはもう12月が始まるようです。いや、マジですか…?? もう12月…?? 師走になると、避けては通れない問題が発生します。そう、大掃除です。どうせ掃除をするなら…
渡辺保裕『球場三食』(講談社)1巻より 新型コロナウイルスの影響で、例年とは全く違うシーズンになった2020年のプロ野球。開幕も遅れ、当初は無観客での開催でもありましたが、途中からは”有観客”の開催が認められ、レギュラーシーズンを全て消化すること…
渡辺静『魔女に捧げるトリック』(講談社)1巻より 『週刊少年マガジン』誌で今年(2020年)始まった新連載といえば、完結した『五等分の花嫁』の跡を継ぐような形でスタートした『カッコウの許嫁』がとにかく話題を集めています。が、筆者としてはもう一作…
田中靖規『サマータイムレンダ』(集英社)1巻より 明日から暦の上では三連休。ですが、コロナ禍のさなかということもあり、外出せずに家でのんびり過ごす予定、という方も多いのではないでしょうか。そんな時こそ、読みごたえのある漫画をイッキ読みしたい…
小西明日翔『二人は底辺』(一迅社)より 2017年から『アフタヌーン』誌で連載され、既に累計90万部を突破、「このマンガがすごい!」や「次にくるマンガ大賞」などにもノミネートされる大人気作となった、小西明日翔先生の『来世は他人がいい』(講談社、4…
雨隠ギド『おとなりに銀河』(講談社)1巻より アニメ化もされた大人気作『甘々と稲妻』(講談社、全12巻)の完結から約2年。雨隠ギド先生の、待望の新作が発売されました! それも2冊同時に! 『ザ花とゆめ』誌で連載されている『ゆらゆらQ』(白泉社、1巻…
あさのゆきこ『はんなりギロリの頼子さん』(徳間書店)1巻より 先日、ある用事で京都に行くことがありました。そして少し時間が余ったので、軽く観光でもして帰るかーと思い、何気なく「京都 観光 おすすめ」などと検索してみたところ……出るわ出るわ、名所…
シギサワカヤ『ファムファタル』(KADOKAWA)1巻より ファム・ファタル(あるいは「ファム・ファタール」と表記する場合も多いですね)とは”Femme fatale”、フランス語で「運命の女」という意味ですが、往々にして「男を破滅させる魔性の女」というニュアン…