最強おもしろ漫画紹介ブログ

自信を持ってお薦めできる漫画しか紹介しません。週3回更新。

【今週のPowerPush】2020年が『鬼滅の刃』の年だったとすれば、2021年は間違いなく『怪獣8号』の年になる! と今から断言したくなるほどの圧倒的おもしろさでジャンプ+の覇権を『SPY×FAMILY』と争う作品、規格外の大型新連載『怪獣8号』の1巻がとうとう出ましたよ!

 

f:id:omosiro_manga:20201207193937p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

集英社のアプリ「少年ジャンプ+」では様々な漫画が公開されていますが、その中でもとりわけ人気が高いのが『SPY×FAMILY』。単行本の売り上げが、5巻で累計600万部を突破するほどの大人気作品で、アニメ化等のメディアミックスもまだ行われていない段階でこんな人気を勝ち取る怪物級の作品はしばらく出てこないのではないか……そう思っていました。

 

ところが、そんな怪物級の『SPY×FAMILY』に肩を並べるほどの閲覧数を記録する、新たな大人気作品が「ジャンプ+」に登場したのです。先週、12月4日に待望の単行本1巻が発売されたばかり、松本直也先生の『怪獣8号』です。

この作品……この先鬼滅の刃』級の大ヒットになってもおかしくありません。

 

「ジャンプ+」(アプリ版)は、各作品を初回の閲覧に限り無料で読むことができるという仕様になっているので、『怪獣8号』をまだ読んだことがない方はアプリで1話から最新話までをイッキ読みすることが可能です。筆者としては、ぶっちゃけ「この記事は読まなくてもいいですから今すぐジャンプ+のアプリで1話から読んでください!」と言いたいぐらいです。

shonenjumpplus.com

 

『怪獣8号』は読めばすぐにその魅力と長所がわかるタイプの漫画なので、内容を紹介するのが逆に野暮かもしれませんが、簡単にご紹介していきます。

f:id:omosiro_manga:20201207194151p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

『怪獣8号』は、まるで地震や台風といった自然災害のような頻度で、日常的に怪獣が出現する日本が舞台の物語。日本がいつからこんな”怪獣大国”になってしまったのかはわかりませんが、作品内では室町時代に既に怪獣が出現していたという描写が出てきます。

f:id:omosiro_manga:20201207194228p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

主人公の日比野 カフカはそんな日本で、討伐された怪獣の死体を処理する清掃業者に勤める32歳。怪獣を討伐する国民的ヒーロー「日本防衛隊」とは違い、カフカの仕事は人々から称賛されることの少ない、裏方の仕事です。

f:id:omosiro_manga:20201207194304p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

小学生の頃、住む家や街を怪獣に破壊されたカフカは、幼なじみの亜白 ミナと『「日本防衛隊」の隊員になり、怪獣を全滅させよう』と誓いました。しかし、本当に夢を叶えて「防衛隊」の隊員となり活躍しているミナとは対照的に、カフカは防衛隊の入隊試験をクリアできずにいるのでした。

f:id:omosiro_manga:20201207194815p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

同じく防衛隊員になることを目指して清掃業者で働いている18歳の青年・市川 レノからも刺激を受け、カフカは一度は諦めた「防衛隊員になる」という夢を再び追いかけ始めるのですが……

 

第1話のラストで、カフカの体内に怪獣が侵入するというアクシデントが発生。カフカ怪獣に変身できる能力を身につけるところから物語が大きく動き出します。一時は防衛隊に追われ「怪獣8号」というコードネームまでつけられたカフカは、自分が「怪獣8号」であることを隠しながら、防衛隊員になることを目指すようになります。

f:id:omosiro_manga:20201207194408p:plain

松本直也『怪獣8号』(集英社)1巻より

『怪獣8号』の最大の特徴は、とにかくキャラクターが魅力的であること。”怪獣に変身できるオッサン”カフカと、ツッコミ担当の若者・レノのバディは自然と応援したくなってしまう二人組ですし、防衛隊の入隊試験で出会う四ノ宮キコル古橋 伊春保科 宗四郎といった新キャラたちもことごとくキャラが立っていて、第1巻の時点で早くも「名作の幕開け」を告げる土壌が整ったといえます。しかも、そんなキャラ達が命の保証はない怪獣との戦いに臨むのですから、読者としては毎週ワクワクしつつもハラハラもしながら読むことになります。

 

さらにもうひとつ魅力的な点を挙げるとすれば、それは怪獣が日常の中に出現してくるというこの作品の世界観そのものカフカが勤める”怪獣を解体する清掃業者”の描写、横浜や相模原といった街の中に怪獣の死骸が溶け込んでいる風景など、現実世界とは大きく違う世界でありながらも、どこか生々しいリアリティがあり、読んでいて自ずと引き込まれてしまいます。

 

メディアミックスどころか単行本が発売されてもいない段階から、既に『SPY×FAMILY』に迫るほどの閲覧数を記録し、Twitterトレンドにも何度も入っていた『怪獣8号』ですから、単行本1巻のプロモーションにもかなり力が入っており、初版から相当の部数が刷られていたようです。しかもこの作品、1巻のラストがかなり”気になるところ”で終わるので2巻を読まずにはいられないようになっているのですが、2巻の内容は1巻よりもさらに盛り上がる内容になっているのです。この流れ、もはやヒット作として世間に定着することが確定していると言ってもいいぐらいだと思います。

 

『怪獣8号』は、『SPY×FAMILY』と同じく「既にかなりヒットしており、今後のメディアミックスによってさらに爆発的大ヒットになる可能性が極めて高い作品」であることは間違いありません。おそらく2021年の各種ランキングを席巻するに違いない本作、まだ読まれていない方は是非ともお早めに手に取られることをお薦めします。老若男女誰にでも自信をもってお薦めできる最高の作品です。

 

怪獣8号 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

怪獣8号 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)