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【今週のPowerPush】女子校の同じクラスに、宇宙人と抜け忍と超能力者と女装男子が揃ってしまった! 過積載気味な設定をものともせず超絶ハイテンションで駆け抜けていく狂気のコメディ『4人はそれぞれウソをつく』の1巻は、今ならおまけが160ページ(!)ついてくるので実質2冊分!

 

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

本日ご紹介する作品は、色んな意味で「狂気」という言葉が似合う漫画だと思います。

まるで少女漫画のようなかわいい絵柄……でも下ネタなどのえげつないギャグを全力でかましてきますし、

「同じクラスに宇宙人と抜け忍と超能力者と女装男子が揃ってしまった!」という出オチっぽい設定から、連載が進むごとに面白さはむしろ加速していきますし、

定価660円で160ページの単行本……なのになぜかおまけページが160ページもついてきます。実質2冊分です。

 

……ちょっとこれだけじゃよくわからないと思いますので、今からこの作品を詳しく紹介していきたいと思います。別冊少年マガジンで連載中、橿原まどか先生の『4人はそれぞれウソをつく』(講談社、1巻まで発売中)です!

 

 

※『4人はそれぞれウソをつく』の第一話は、作者・橿原まどか先生のTwitterから読むことができます。

 

 

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

千代、関根、翼、リッカの4人は、女子校の同じクラスに通い、一緒にお昼ご飯を食べる仲良し中学生4人組。しかし、この4人はそれぞれ、他の3人には言えない重大な秘密を抱えていたのです。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

まずリッカですが、なんと宇宙人。本名はパピポポロ・デュルリッカと言います。「銀河革命同盟軍」の大佐だったリッカは、「宇宙帝国軍」との戦闘中に宇宙船が大破、地球の女子校に不時着してしまったのです。緊急用の装置(いつも抱えているぬいぐるみ)で人々の記憶を操作し、「天真爛漫な少女」を装って地球に紛れ込んでいるのでした。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

そして千代は、忍者の里から脱走してきた抜け忍だったのです。なるべくプライベートのことを明かさないようにしているせいで、清楚な見た目もあいまってか周囲に「お嬢様」だと思われてしまった千代は、頻繁にやってくる里からの追っ手と校内で密かに戦ったりしながらも、表向きはお嬢様らしい学園生活を送っているのです。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

そんなリッカや千代の秘密を、ひそかに知っているのが関根。実は彼女はサイキックで、「周囲の人の思念がたまに流れ込んでくる」体質。サイキックだからか、リッカが持っている装置による洗脳も効かなかったようです。「実は宇宙人」のリッカ、「実は抜け忍」の千代に内心ではツッコミを入れまくりながらも、持ち前の強メンタルで日々を切り抜けていく三つ編みメガネの委員長なのでした。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

最後のひとり・は、実は女装男子。双子の姉に命令され、姉と入れ替わる形で女子校に通うことになってしまった、れっきとした男の子です(本名は剛くんと言います・笑)。顔がいいので「クールでボーイッシュな美人」と思われています。

なお、翼の思念は関根に流れ込むことはありません。なぜなら、関根自身も気づいていないようですが、関根の能力は「同性限定」だから。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

誰か1人だけでもコメディ漫画が成立しそうなほどの特殊キャラを、開幕から一気に4人もぶっこんでくるとんでもない作品、それが『4人はそれぞれウソをつく』なのでした。

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橿原まどか『4人はそれぞれウソをつく』(講談社)1巻より

追っ手との死闘で血まみれになった姿を見られた千代が「わたくし生理が重いから!」と言い張ると、女装男子である翼は「生理ってそういうものなの!?」と誤解し、翼が「生理中って全身血まみれになるもんだよね〜」と言ってみると、リッカは「地球人はそうなのか…」と納得、そんな3人の会話を物陰から聞いた関根はツッコミたくてもツッコめなくて内心で葛藤……というように、特殊キャラたちの特殊なボケツッコミで話がどんどん進んでいきます。正直、今まで読んだことないようなタイプの作品かもしれません。オリジナリティがすごい!

 

第1話を試し読みした時は、「こんな特殊な設定で連載を続けられるの…!?」と思ったのですが、単行本を買って読むと、読めば読むほどむしろどんどん面白くなっていくから驚きでした。見た目は可憐な少女たちが、下ネタなども手加減しないで投入してくるキレッキレのギャグ世界で暴れまくります。「一生泥水かぶってれば…?」「遵法精神で腹がふくれるか」「1ドル105円だけど…?」など、他の作品では絶対出てこないような台詞がガンガン飛び出してくるのも面白いです。

 

そんな『4人はそれぞれウソをつく』の第1巻ですが、今ならなんとおまけページが約160ページついてきます。意味がわからないと思いますが……誤植ではありません。160ページです。160ページなのです。(ちなみに第1巻の「本編」のページ数も約160ページです)

どういうことかと言うと、初版限定でオビについているQRコードから特設サイトに飛ぶことができて、そこでおまけページが160ページ読めるのですね。(電子書籍の場合は巻末に特設サイトへのリンクが掲載されていますが、1月18日以降はリンクが消されてしまうようですのでお早めにご購入ください)

 

おまけページは、さすがに本編よりもかなりラフな絵で描かれてはいますが、本編同様のキレッキレのギャグ世界が展開されていて、予想以上の読みごたえがあります。下ネタ、過去回想、死ネタ(?)、お泊まり回、コスプレ回など多種多様な話が収録されており、率直な感想を言うと「これ普通に本編でやったほうが良かったんじゃないの!? もったいなくない!?」と貧乏性な筆者は思ってしまいました。おまけページで新たな能力者が登場したりしますからね。

 

ただでさえめちゃくちゃ面白いのに、今なら単行本1冊の値段で2冊分楽しめてしまうという色んな意味で狂気のコメディ作品『4人はそれぞれウソをつく』! このチャンスを逃す手はありませんよ! さあ今すぐお買い求めを!(って、何だか通販番組みたいになってしまった…)