【週末イッキ読み推奨】読書家には憧れるけど、自分がそうなるのは難しい……”エセ読書家”の女子高生・町田さわ子が、本好きの友人たちと図書室で繰り広げるかなりゆるい読書トーク『バーナード嬢曰く。』を読んでいると、ステイホーム期間中におうちで読みたい本が不思議と見つかるはず！

f:id:omosiro_manga:20201218180615p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）1巻より

突然ですが、あなたは読書家ですか？　筆者は正直、全然読書家とは言えない人です。コンスタントに良書を読んでおられる方々に畏敬の念を抱きつつ、漫画とTwitterで一日が終わってしまう……そんな日々です。

「本を読むのは嫌いじゃない……でも時間がかかるし、良い本を探すのも意外と大変で、最近はあまり読めてないなあ……」そんな時、心の奥底に燻っているはずの”読書欲”を再燃させてくれるに違いない漫画を本日はご紹介します。施川ユウキ先生の『バーナード嬢曰く。』（一迅社、5巻まで発売中）です。

f:id:omosiro_manga:20201218180704p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）1巻より

いつも図書室で本を読んでいる女子高生・町田さわ子。一見「読書家」のように見える彼女が、実はそんなに読書家でないことを、「ひと昔前の流行本を読むのが趣味」の少年・遠藤くんは知っていました。

f:id:omosiro_manga:20201218181041p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）1巻より

「読書家には憧れるけど、本を読むのって難しい…」そんなさわ子を主人公にしたコメディとして始まった本作は、ガチな読書家（SF好き）である神林しおりや、シャーロキアンの図書委員・長谷川スミカなどの人気キャラクターを登場させながら、もう10年近く連載が続いており、TVアニメ化もされている人気作です。

f:id:omosiro_manga:20201218181135p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）5巻より

（連載開始当初は全然、本を読んでいなかったさわ子も、連載が進むにつれていつの間にか結構な本好きになってきているところが面白いですし、個人的には「さわ子！おまえは”俺たち側”の人間だと思っていたのに！」という裏切られたような気持ちにも少しなります。笑）

f:id:omosiro_manga:20201218181236p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）5巻より

そんなさわ子たちの日常を描いた本作ですが、作者の施川ユウキ先生がご自身のTwitterで内容を紹介されているので、まずはそちらをご覧いただきたいです。

間違ってるけど、ある意味間違ってない『羆嵐』の紹介漫画です。
（1／2） pic.twitter.com/KnsFyAcUDB
— 施川ユウキ（ハジメ） (@ramuniikun) 2020年4月25日

ハリポタ派vsダレン・シャン派…⁈
（1／2） pic.twitter.com/ZaYfLwHkw8
— 施川ユウキ（ハジメ） (@ramuniikun) 2020年4月26日

意味不明な失言をしてしまった話。
（1/2） pic.twitter.com/Irage2Ilgj
— 施川ユウキ（ハジメ） (@ramuniikun) 2020年5月3日

学校をサボって海辺で読書する話。（1／2） pic.twitter.com/U4pRoRqBa9
— 施川ユウキ（ハジメ） (@ramuniikun) 2020年4月21日

『バーナード嬢曰く。』が「ブックレビューの漫画」かといえば、必ずしもそうではないと思います。取り上げた本の内容や作者について、毎回、微に入り細に穿って説明していくようなタイプの漫画ではありません。そうじゃなくて、「面白い本を読んだ時」や「本について友達と喋っている時」の”あの感じ”を漫画として描き出している作品と言えると思います。

『羆嵐』について語っているさわ子の話を聞いても、正直あらすじとかは殆ど何もわかりませんが、「何かメッチャおもしろそう！」ということだけは伝わってきますよね。

f:id:omosiro_manga:20201218181958p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）5巻より

また、最初はさわ子の適当な性格にキレ散らかしていたしおりが、だんだんさわ子のことを「かけがえのない親友」、あるいはそれ以上の存在として見ていくようになるのもたまりません。平たく言えば、『バーナード嬢曰く。』はとても上質な百合漫画でもあると思います。

f:id:omosiro_manga:20201218182035p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）5巻より

普段、それほど本を読まない人（筆者とか）でも、誰かが本について語っているのを聞けば、なんとなく興味を持って「その本、読んでみようかな」と思ったりします。『バーナード嬢曰く。』は読みやすいコメディ漫画であり百合漫画であり、そして「その本、読んでみようかな」と思う読書トークに満ちた本なのです。「読むと確実に本屋に行きたくなる漫画」と言い換えてもいいと思います。

f:id:omosiro_manga:20201218182122p:plain — 施川ユウキ『バーナード嬢曰く。』（一迅社）5巻より

いわゆる「ステイホーム」の生活は、普段なら読めないような本を読むのにうってつけ。しかし、普段本を読まないのに、いきなり読書に取り組むのはいささかハードルが高いところがあります。そこで、いったん『バーナード嬢曰く。』を挟むことによって、読書欲を自然と高めていき、スムーズに読書生活へ移行していける可能性……かなりあると思います。

この冬、実り豊かなステイホーム生活を送れるかどうかは、案外ここで『バーナード嬢曰く。』を読むかどうかにかかっているかもしれません。是非とも読んでみていただきたい作品です。ちなみに筆者はこの記事を書くために『バーナード嬢曰く。』既刊5冊を読み返した結果、たまらず本屋に走って、また1冊積ん読本を増やしてしまいました。それだけの引力を持った作品なのです…!!