【知られざる名作】めちゃくちゃ残念すぎる性格の女子……だけどなぜか、気になって仕方ない！ ヒットメーカー・くずしろ先生の”早すぎた傑作”『れんあいこわい』の続編をいつまでも待ち続けます！
くずしろ先生といえば、『姫のためなら死ねる』『兄の嫁と暮らしています。』『永世乙女の戦い方』『笑顔のたえない職場です。』など、ヒット作を続々と生み出している漫画家さんです。本日は、そのくずしろ先生が2015年から連載していた知られざる名作『れんあいこわい』（全2巻、一迅社）をご紹介します。
物語の舞台となるのはレンタルショップ「かりてきたねこ」。この店でバイトしている大学生・桜井くんは、バイト仲間の少女・堂本 悠（はるか）のことが気になって仕方ありません。
なぜなら悠は、かわいい女性客に見とれたり、成人向けの漫画やDVDを嗜んだり……なんというか、モテない男子のような性格の少女だったのです！
「心の中に童貞がいる」とまで言われてしまう悠。桜井は「残念女子」「こいつはナイ」などと言いながらも、その実、悠のことを意識しまくっています。
一方、悠の方は女性にしか興味がないのかと思いきや……
悠は悠で、桜井のことを意識している様子。そう、本作はちょっとひねくれた男女を主役にした青春ラブコメディなのです。
今では、プロの作家さんが、連載作品の第1話をTwitterにアップすることも珍しくありません。しかし、本作が連載されていた2015〜2017年当時はまだその文化はあまりありませんでした。筆者は思うのです……当時、Twitterに漫画をアップする文化があったなら、『れんあいこわい』の第1話はバズり散らかしていたに違いないと。それほど、この2人を始めとする『れんあいこわい』の登場人物たちは魅力的（で、皆ちょっと変わっている）のです。
個人的に、主役の2人と同じぐらい好きなキャラは、ちょっと卑屈な男子高校生の蓮見 憂くん。『かぐや様は告らせたい』の石上 優くんをちょっと連想するようなこじらせ男子です（でも、石上くんと同じで、根は優しい子なんです）。彼も「かりてきたねこ」でバイトしているひとりです。
彼と同じクラスに、もうひとり「蓮見」姓の女子がいるのです。蓮見 安奈さん。憂くんとは似ても似つかないような、”リア充”っぽい、ギャルっぽい雰囲気の女子ですが、実は……。憂くんと安奈さんのサイドストーリーがまた甘酸っぱくて絶品なので、主役2人のストーリーとは別にこちらも是非読んでいただきたいのです。
そして、作中のいろんなところで炸裂する、くずしろ先生らしい小ネタも最高です。「そういえば、学生の頃、バイト中はこんな無駄話ばっかりしてたな…」と懐かしい気持ちも思い出させてくれました。
全2巻で連載終了となった『れんあいこわい』ですが、作者のくずしろ先生は、いつか別媒体で連載を再開させたいとツイートしてくださっています。
れんあいこわいは先日発売のコミックREXを持って一旦最終回となります。話的にはまだ終わっておらず別のところで再開となります。雑誌単行本で読んでくださっていた方々申し訳ありません。理由は犬猫と同様です。再開も犬猫同様今年中早いうちに予定しております。
— くずしろ/葛城一 (@kuzushiro) 2017年3月27日
とはいえ、複数の連載を同時に抱えている、超多忙なくずしろ先生のこと。すぐには難しいと思います……が、また「かりてきたねこ」の皆に会える日を気長に、楽しみに待ち続けたいと思います！
