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【今週のPowerPush】『かぐや様』の赤坂アカと、『クズの本懐』の横槍メンゴがタッグを組んだ! 芸能界の輝き、そしてその裏に潜む闇を描く新世代型ストーリー! 衝撃の第一話で幕を開けた話題作『【推しの子】』に乗り遅れるな!

 

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赤坂アカ横槍メンゴ『【推しの子】』(集英社)1巻より

赤坂アカ先生といえば、TVアニメ化・実写映画化され、今やヤングジャンプ誌の看板作品となった『かぐや様は告らせたい 〜天才たちの恋愛頭脳戦〜』の作者。2020年4月、その赤坂先生が、『かぐや様〜』の連載は続行しながら、さらにもう一作品をヤングジャンプ誌で連載することが決まり、大きな話題となりました。

 

その作品が『【推しの子】』です。

 『【推しの子】』では、赤坂先生は原作を担当。作画担当は『クズの本懐』『レトルトパウチ!』などで知られる横槍メンゴ先生です。熱狂的なファンが多い漫画界のスター同士のコラボレーションとあって、連載開始以前から「どんな内容なのか??」との考察が後を絶ちませんでした。

 

さて、その『【推しの子】』ですが、内容を紹介する前に、まずは何も知らない状態で第一話を読んでもらいたいのです。なぜなら、これは絶対に事前情報なしで読んだほうが良い第一話だからです。

 

『【推しの子】』第1話の試し読みはこちら↓から

shonenjumpplus.com

 

……ね?

 

……ね?

 

面白いでしょ?? 続き、気になるでしょ??

 

というわけで、『【推しの子】』は、16歳のアイドル・星野アイが秘密で出産した双子の兄妹、ルビーとアクアを主人公として進んでいく物語です。

 

特筆すべきは赤坂アカ先生のストーリーテリングの巧みさ、そして横槍メンゴ先生の絵が持つ説得力でしょう。

 

赤坂アカ先生は『かぐや様は告らせたい』の文化祭編などでも緻密な構成巧妙な伏線で読者の感情を完璧にコントロールしてみせた、ストーリーテリングの達人です。今作『【推しの子】』でも、コメディタッチで進んでいく物語の中に、十数年後の登場人物たちへのインタビュー風景をカットバックで挿入して謎や不穏さを散りばめたり、何気ない台詞の中に後の展開につながる伏線を忍ばせたりと、「天才漫画家」の名に相応しい腕前を存分に発揮しています。

 

横槍メンゴ先生はとにかく美しくてかわいい絵柄が特徴的ですが、『クズの本懐』や短編集『一生好きってゆったじゃん』では、触れたら壊れてしまいそうなほど繊細な自意識の世界を描き出す一方、『レトルトパウチ!』などでは振り切れたコメディ描写にも長けており、まさに『【推しの子】』の硬軟織り交ぜた作風にぴったりの漫画家さんだと言えます。特に各キャラがただならぬ気配を纏っている時の絵はとんでもない”凄み”を持っていて、その迫力に気圧されてしまいます。

 

そんな『【推しの子】』ですが、先週第2巻が発売されたばかり。そしてヤングジャンプの最新号(46号)に、2巻の続きとなる第21話が掲載されているので、今ならすぐに連載最新話に追いつくことができるのです。

 

また、集英社の漫画アプリ「ジャンプ+」でも、ヤングジャンプから一週遅れにはなりますが『【推しの子】』が掲載されており、一週遅れで良ければ無料で『【推しの子】』を追うことができるという親切設計になっています。

(ジャンプ+では休載の週に横槍メンゴ先生描き下ろしカラーイラストが掲載されたり、コメント欄で他の読者の感想を読むことができたりと、ヤングジャンプ本誌にはない魅力があるので、YJ読者であっても見に行く価値は大いにあると思います)

 

ヤングジャンプ誌のアオリ文によれば、第2巻の発売によって早くも「30万部突破」が目前になっているとのこと。はっきり言って、『【推しの子】』は今年始まった新連載作品の中でも指折りの勢いを持った作品だと言えます。今こそ乗るべきです、このビッグウェーブに! そして個人的には、”10秒で泣ける子役”あるいは”重曹ちゃん”こと有馬 かなさんのことをとても応援、いや推しております。重曹ちゃん……幸せになってほしい……。